亜急性甲状腺炎
症状
- くびの強い痛み
- 発熱
- 破壊性甲状腺機能亢進による手指の震え、動悸など
検査・診断
a.触診 | 炎症部分に一致して疼痛症状、甲状腺の硬結 |
b.超音波検査 | 炎症部分の低エコー化が見られます。腫瘍の様に見える事があります。 |
c.血液検査 | 白血球数増加、CRP上昇、遊離T4・遊離T3上昇、TSH低下、サイログロブリン(Tg)上昇など |
d.(参考)核医学検査(アイソトープ検査) | 放射性ヨウ素(またはテクネシウム)甲状腺摂取率低値 |
どんな病気?
原因不明の炎症により甲状腺が破壊され、甲状腺ホルモンが漏出して機能亢進を呈する疾患です。先行する上気道炎や季節性が見られることより、ウイルス感染の関連が示唆されています。炎症初期は片側甲状腺のみの炎症、疼痛が限局し、経過と伴に炎症は対側に移動します(Creeping pain)。甲状腺の炎症後変化により、甲状腺機能低下に移行する事があります。
治療
鎮痛解熱剤を投与し、鎮痛・消炎をはかります。数週間の少量の副腎皮質ステロイド投与を併用する事で著効します。甲状腺機能低下へ移行した場合、甲状腺ホルモン(チラーヂン)の投与を行う場合があります。