良性腫瘍[ろ胞腺腫]
症状・所見
- 首のしこり
- 気管の圧迫による呼吸苦
- (機能性結節の場合)甲状腺機能の亢進による骨塩低下、手指の震え、動悸など
検査・診断
a.超音波 | 大きさ、形、エコー輝度を評価 |
b.細胞診 | 採血と同じ細い針を腫瘍に穿刺し、細胞を採取します。顕微鏡を用いた細胞検査を行います。 |
c.血液検査 | 遊離T4、遊離T3、TSH、サイログロブリン(Tg)など |
d.CT検査 | 「腫瘍の大きさ」や「気管や食道の圧迫・変形」を評価 |
e.核医学検査(アイソトープ検査) | 機能性結節の有無を、放射性ヨウ素(またはテクネシウム)にて評価 |
どんな病気?
甲状腺の良性腫瘍で、腫瘍を包む被膜を持っています。しこりで、大きくなるのは15%程度で、70%近くはサイズ変化が無いとされています。多くは無症状ですが、大きくなった場合は気管の圧迫による呼吸苦が見られる事があります。まれですが、甲状腺ホルモンを産生する機能性結節の場合(Plummer病と呼ぶ)甲状腺機能亢進による症状が出現する場合があります。
甲状腺癌の一種である濾胞(ろほう)癌とは、画像・血液検査のみでは鑑別が困難です。癌を疑う場合には手術で取り除き、顕微鏡で確認する必要があります。
治療
サイズが小さい場合、通常は経過観察となります。(a)腫瘍の増大傾向、(b)腫瘍径30mm以上、(c)血中サイログロブリン値が高値/1000ng/ml以上などでは、濾胞(ろほう)癌の可能性が高くなり、手術をお勧めします。
また気管を圧迫・変形する様な場合、呼吸困難になる可能性がありますので、早期の治療をお勧めしております。
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